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角田光代『対岸の彼女』のあらすじと感想【読書会レポート#1】
【読書会レポート#1】紹介された本:角田光代『対岸の彼女』
角田光代『対岸の彼女』のあらすじ
いじめで群馬に転校してきた女子高生のアオちんは、ナナコと親友になった。
専業主婦の小夜子はベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始める。
立場が違ってもわかりあえる、どこかにいける、と思っていたのに……結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、たったそれだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。
女性の友情と亀裂、そしてその先を、切なくリアルに描く傑作長編。
(Amazon参照:対岸の彼女)
角田光代『対岸の彼女』に対する紹介者Sさんの感想
・同じ高校を卒業したとしても、その後送ってきた人生の違いで価値観は全く異なったものになりました。
・その価値観の違いのために、話の中で、葵とナオコは違う道を行くことになります。
・しかし、二人は同じ「丘」を目指して生きている。そのことに感動しました。
・人は出会いなおすために生きているのではないかと感じました。
角田光代『対岸の彼女』について読書会で話題になったこと・感想

「出会いなおすために生きている」って表現は詩的でいいですね。
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価値観の違いで居心地が悪くなるのはよくわかります。

そうですよね!大学のサークルなど、苦手なタイプのコミュニティは、とことん居心地が悪く感じてしまいます(笑)
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価値観が合わない人とは居心地が悪くなるのはなぜでしょうか。

人間には常に一定でいようとするホメオスタシスが働くらしい。

しかし、その自分が居心地が悪い空間にいることが、世界観を広げることになるのかもしれないですよね。「弱いつながり」もそういう話。
↓↓弱いつながりについては下記の記事参照。
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どうすれば、居心地の悪いコミュニティや相手を克服できるんでしょうか。

メンタリストのDaigoかだれかが言っていましたが、初対面の人との共通点を10個見つけると親近感がわいて仲良くなれるらしいですね。
角田光代『対岸の彼女』に対する投稿者の感想
かつての同級生がベンチャー企業の社長になっていたら自分がどんな反応をするのか考えてしまいました。
ちょっと胸がキュウってなりそうですね(笑)
もう一段抽象度を上げた表現にするなら、「学生時代の関係性が社会人になって変化してしまっていたらどう感じるか」という問いになります。
そのことは平野啓一郎さんの著書『私とは何か 「個人」から「分人」へ』の言葉を借りれば、「学生時代の友人との間にできていた分人が傷つけられたから苦しい」とも表現できるでしょうか。
平野啓一郎『私とは何か――「個人」から「分人」へ』講談社、2012年。
かつての同級生にも、何の気兼ねなく会える自分でいたいなーと思います。
あと、「価値観の違う女」というテーマは、『パリに行ったことないの』などを書かれている山内マリコさんの作品と比較しながら読んでも面白そうだなと思います。
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