平時と有事に取るべき行動は異なります。
例えば、民主主義社会では平時には多くの人が議論の末にたどり着いた結果が尊ばれますが、戦争のような有事下においては、素早い意思決定が重視されるためにトップによる全体のコントロールが求められることがあります。
このように平時と有事では理想とされる行動が異なるので、平時か有事か見誤ることは致命的な影響がでかねません。
さて、現代は果たして平時なのでしょうか。
それとも有事なのでしょうか。
神田昌典『2022――これから10年、活躍できる人の条件』にはそのことについて考えるヒントがちりばめられています。
この記事では神田昌典『2022――これから10年、活躍できる人の条件』の要約と解説を行います。
神田昌典『2022――これから10年、活躍できる人の条件』の3つのポイント
・今は有事―70年周期説
・時代が変わるとき、”英雄が戦犯になる”
・情報化時代から知識創造時代へ
神田昌典『2022――これから10年、活躍できる人の条件』のひとこと要約
神田昌典氏は70年周期説に基づきながら、現代は明治維新や太平洋戦争終戦と同じくらいの激動の時期だと主張する。
そのような変化の時代には、世界の価値観が大きく変わる。
周りからみればクレイジーなことを率先して行う人だけが、自ら古い価値観を手放して自己変容できる人だけが飛躍できる。
そして自己変容するためには目的に応じて情報を編集し、オリジナルな知識を想像するエクス・フォメーションが重要である。
神田昌典『2022――これから10年、活躍できる人の条件』のじっくり解説
今は有事―70年周期説
今の時代は有事であると、筆者の神田昌典氏は主張します。
著者はその「時代の流れ」をつかむために70年周期説を用います。
それによれば、歴史の転換点となるような重大なことは70年周期で起きており、その前兆などの前後の出来事も酷似しているということが分かります。
なので、筆者は現代の社会は今から140年前の明治維新や、70年前の太平洋戦争終戦と同じくらいの激動と変革の時代だと考えています。
時代が変わるとき、”英雄が戦犯になる”
そして、時代が大きく変わるとき、それに伴って世界の価値観も180度変わるといいます。
たとえば、70年前の太平洋戦争終戦では財閥解体や東京裁判などで戦前の権力者が「罪人」になりました。
また、140年前の明治維新では幕府が倒れ、さらには英雄西郷隆盛も西南戦争で討たれました。
そして近年では、村上ファンド事件やライブドアショックで、それまで英雄だった経営者が次々と逮捕されました。
このように時代が変わるときには、一夜にして英雄が戦犯になるのです。
情報化時代から知識創造時代へ
このような激動の時代を生き残るためには何をすればいいのでしょうか。
それは古い価値観を自ら手放し、自己変革することです。
古い価値観にしがみつき、沈んでいくタイタニック号の中で座席争いをしている場合ではないのです。
では、具体的にどうすれば現代社会の変化に適応できる形で自己変革をおこして、新しい価値観を獲得できるのでしょうか。
そのカギはエクス・フォメーションです。
エクス・フォメーションと自分の内にある認識を外に創ることです。
情報をただインプットするだけでなく、他の情報と掛け合わせて新しい知識を想像することが重要なのです。
インターネット上で情報があふれかえっている今日において、情報それ自体の価値はほぼないといってもいいでしょう。
そのような環境下では、オリジナルな知識を生み出すことこそが重要なのです。
また筆者はそのためのツールとして読書会をあげています。
ただ本の知識を仕入れるだけでなく、本の発表をしたり他人の発表へ意見することを通してそれをを掛け合わせることが出来るのです。
神田昌典『2022――これから10年、活躍できる人の条件』の思わず引用したくなる名言
古い価値観にしがみつく側になるのか、それとも新しい価値観を創る側にまわるのか
「会社」という概念のライフサイクルはもはや晩年
現実はものの見方で変わってしまう。過去からの延長で現在をとらえているか、未来のあるべき姿からの逆算で、現在をとらえているかで、違う。
読書した際にはぜひ読書会にご参加ください!
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