村田沙耶香『地球星人』のあらすじと感想【読書会レポート#2】

【読書会レポート】村田沙耶香『地球星人』【ワタコレブックス】 本・書評
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村田沙耶香『地球星人』のあらすじと感想【読書会レポート#2】

【読書会レポート#2】紹介された本:村田沙耶香『地球星人』

村田沙耶香『地球星人』新潮社、2018年。

村田沙耶香『地球星人』のあらすじ

地球では「恋愛」がどんなに素晴らしいか、若い女はセックスをしてその末に人間を生産することがどんなに素敵なことか、力をこめて宣伝している。

地球星人が繁殖するためにこの仕組みを作りあげたのだろう。私はどうやって生き延びればいいのだろう――。

(新潮社公式ページ:https://www.shinchosha.co.jp/book/310073/

村田沙耶香『地球星人』に対する紹介者Iさんの感想・観点

・私たちの持っている価値観はたいてい時代の要請する価値観ですよね。

・感覚的な描写がすごく上手で雪がキラキラとしているような表現でした。

・男女の差別廃止を訴えたとき、だったら人間以外の地球の生物は差別していいの?
地球の生物の差別廃止を訴えたとき、だったら宇宙人は差別していいの?
どこまで行ったらいいのかわからない。
村田沙耶香さんの本を読むとそんな感じで感覚が揺さぶられます。

村田沙耶香『地球星人』について読書会で話題になったこと・感想

Iさんは共感できる対象が地球の外まで広がっていますね。視点の抽象度が高くてすごいですね!

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『消滅世界』を読みましたが、同じように時代によって内面に埋め込まれる価値観が主題でした。村田さんはそういった感覚を描くのがうまいですよね。

自分の中の価値観に対して冷めた目線を向けながらも、そこから逃げきれない感じですよね。

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どうやったら時代の価値観から自由になれるのでしょうか。

村田沙耶香『地球星人』に対する投稿者の感想

『消滅世界』を読んだ時も感じたのですが、村田沙耶香さんの想像力のスケールはものすごいと思います。

最近の本は割と自分と近い世界を描くことが多いと感じています。

誰もが経験する学校であったり、夫婦の不倫の話であったり。

逆にリアルな社会を描かなくても大丈夫なファンタジーに振り切ったり。

前に書いた社会=他者の消失という世界の状況とも関係してそうですね。

その様な状況の中で村田さんの描く世界観や視点は、圧倒的です!

村田さんという身体を抜け出して、遥か彼方の方まで意識がさまよい出ているように感じます。

読んでいると宇宙と対話した感覚になります。

さらに、SF設定を導入したからと言って、近いところの感覚の描写もおざなりにしない。

普通SF的な話だとテックか観念的な話になりますが、村田さんはSF世界での人の感覚の差異も丁寧に描写していて、死角はありません!

読んでいるとまるで、今までなかった人工の臓器が自分の中に作られていくような感覚を覚えます!

ほんっっっっっっとうに稀有な作家さんだと思います!

最近のお気に入りなのでまた紹介するかもしれません。

 


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