教養を身に着ける必要性とは!?

学習方法
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リベラルアーツとは …

学士課程において、人文科学・社会科学・自然科学の基礎分野 (disciplines) を横断的に教育する科目群・教育プログラム

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%84

昨今、教養・リベラルアーツを学ぶことが一つのブームとなっています。
オリエンタルラジオ中田敦彦さんのyoutubeチャンネル「中田敦彦のユーチューブ大学」が爆発的に伸びているのもそのような背景があります。

しかし、一方でこのような声も聞きます。

・教養って本当に必要なの
・歴史なんか学んでも役に立たないじゃないか
・今の仕事は教養と関係ない

確かに教養は普段の仕事との関係が見えづらい物ではありますが、本当に役に立たない趣味の問題に過ぎないのでしょうか。
インテリぶった仕事ができない奴らが、自分の劣等感を埋め合わせるためにすがる物に過ぎないのでしょうか。

しかし、想像してみてください。
もし仮にに一流の教養を身につけて、世界のエリートたちとパーティ会場でウィットに富んだジョークを交わし合っているとしたら。歴史的な社会のサイクルから自分の行動指針を決定できたとしたら。

本稿では教養を身につけるメリットについて述べます。

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教養は消費期限が長いスキル

VUCAという言葉を知っていますか。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字の略です。

現在はVUCAの時代であると言われています。

テクノロジーの進歩がめまぐるしく、マーケットの変遷が激しいため、プレイヤーである企業も人も非常に不安定で流動的な状況で戦わなくてはなりません

現に、東京商工リサーチの調査によれば、2017年に倒産した企業の平均寿命は23.5年です。

労働年齢が仮に20~60歳だとしても、少なくとも一生に一度は転職しなければならない計算になります。

このような時代では、一生懸命身につけたはずのスキルや資格が、すぐに役に立たなくなります。

しかし、教養・リベラルアーツのような知識はどうでしょうか。

扱っている内容は「社会とは何か」「人とは何か」といった普遍的な物であり、既に時の流れの洗礼をうけ、なお生き残っている知識です。

しかも残っているだけではなく、実際に愛読しているビジネスパーソンが大成功を収めたという実績があります。

たとえば『孫子』ソフトバンクの孫正義社長や、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏をはじめ、多くの経営者が愛読しています。

今後も教養・リベラルアーツは長きにわたって有用であり続けるでしょう。

教養はイノベーションの種となる

昨今、AIや自動化の波が押し寄せています。

囲碁のトップ棋士がAIに敗北したという事件は記憶に新しいかと思います。

AIが得意としている一つの解に向けて「論理的処理」を行う領域では、人はもはや太刀打ちできなくなりました

そのため、ビジネス書に記載されるようなフレームワークといった再現性のある論理処理の市場での価値は、ますます下落していくことが予測され、創造力・イノベーションの必要性が唱えられています。

ダニエル・ピンク著の『ハイ・コンセプト』でも以下のように記載されています。

日本人がこれから一番身につけなくてはいけない「右脳を生かした全体的な思考能力」と、「新しいものを発想していく能力」

ダニエル・ピンク|ハイコンセプト

一方、哲学、歴史などの教養とされる知識はどうでしょうか。

これらの知識は抽象度が高く、具体的な活用方法が明確化されていません。

逆に、抽象的で一般的な法則を導くプロセスを通して、統合的な「世界観」「全体観」を養ってくれます

確かに具体的なメソッドを提示するビジネス書から得られる知識と違い、短期的な目標達成には不向きです。

しかし、長期的なスパンで創造の種をまくためには教養書から得られる知識が必要不可欠です。

アップルの創業者の故スティーブ・ジョブズ氏も以下のように述べています。

将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない

スティーブ・ジョブズ

教養主義には注意が必要

しかし、教養を身に着けるうえで一点注意が必要です。

それは慶應義塾大学院で美術史学を学び、電通、ボストン・コンサルティング・グループなどに勤務したコンサルタントである山口周氏が言う「教養主義に陥らないか」ということです。

彼は言います。

ポイントは、教養を「仕事の成果の埋め合わせ」に用いない、ということです。というのも、昨今の教養ブームに思い切り乗っかって踊りまくっている人を観察すると、仕事でなかなか成果が出ないコンプレックスを、教養をひけらかすことで埋め合わせているように思えるからです。

山口周|知的戦闘力を高める独学の技法

教養を学ぶだけでは仕事に生かすことは難しいです。

教養の知識を抽象化して汎用性を高めることが必要です。

また、さらに必ずその知識が生きる機会が来るのかということも不明です。

まさに十年後、数十年後のために「種をまく」作業と言えるでしょう。

短期で成果を出す必要があり、かつすべきゴールが明確である場合にはビジネス書といったバランス感覚が求められます。

まとめ

教養書から得られる知識には、①耐久年月が長い、②創造力を養うといった大きなメリットがあります。

しかし、それらを身に着けるうえで、目的に合わせてビジネス書を活用したり、長期的視点で待つといった姿勢が求められます

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