瀧本哲史『君に友だちはいらない』の要約と名言|秘密結社をつくるべし

Comrade 本・書評
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「今は組織ではなく個人の時代だ」

「会社に依存せずに稼げる個の力が必要だ」

その様な言葉があらゆるビジネス書で散見されました。

しかし、この現代の過酷なグローバル資本主義を、本当に個人で生き抜くことが出来るのでしょうか。

実際に歴史的に見て、偉大な指導者たちには懐刀と呼ばれる存在がいました。

例えば、スティーブ・ジョブズにはスティーブ・ウォズニアックという天才エンジニアの相棒がいました。

今の時代を乗り切るために必要な条件を今一度考えておく必要があるのではないでしょうか。

そこで、この記事では元マッキンゼーの個人投資家である瀧本哲史氏の『君に友だちはいらない』を要約し、現代社会でうまく渡っていくための条件について整理します。

瀧本哲史『君に友だちはいらない』講談社、2013年。

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瀧本哲史『君に友だちはいらない』の3つのポイント

・グローバル資本主義に抗うためにはチームが重要

・よい人脈にめぐりあうために、自分を変える必要がある

・なあなあの「友だち」ではなく、目的を同じくした「仲間」

瀧本哲史『君に友だちはいらない』の要約

グローバル資本主義に抗うためにはチームが重要

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今の日本はこれまでにないくらい「チーム作り」が非常に重要な時代です。

その理由は、世界中の市場を一つにつなぐ、グローバル資本主義の進展です。

市場が一つにつながれば、これまで比較が難しかった商品の比較が可能になります。

例えば、インターネットの登場前の暇な時間の過ごし方は、読書をしたり、TVを見たりと言ったことが候補になっていました。

しかし、インターネットでひとたび世界がつながれば、youtubeもNetflixも可処分時間の奪い合いに参加してきます。

また、同じサービスの中でも様々な国で作成された動画が視聴時間を奪い合うことになる。

そうなるとどうなるのでしょうか。

どうせ同じようなものなら「少しでも安いものを」という消費者の心理が働きます。

そうなると、付加価値がある製品以外は値下げ競争に巻き込まれていきます。

値下げされるのは製品だけではなく「労働力」も同じです。

海外の安い労働力と競合するとずるずると賃金が下がっていきます。

このようなグローバル資本主義の濁流の中で、個人ではたちまち流されて行ってしまいます。

そこで、チームが必要になります。

個人が緩やかにネットワークを形成し、プロジェクトごとに集まるという立ち振る舞いが有利となります。

またこのことに関しては社会学者の宮台真司氏も、人材の流動性が過剰に高められたグローバル資本主義でうまく立ち回れるのはネットワークを持った人たちで、そのことは現在の世界の「勝者」が華僑とユダヤ人であることが証明していると指摘します。

よい人脈にめぐりあうために

ではよい人脈やパートナーに巡り合うにはどうする必要があるのでしょうか。

筆者の瀧本哲史氏は、名刺交換会やSNSではそういった人たちには出会えないとします。

そういった場では人と人があまり簡単につながれるようになった結果インフレをおこし、ひとつひとつのつながりの質が低下しているといいます。

過酷なグローバル資本主義に対峙するためには人脈のための人脈ではなく、何か目的を同じくした少数精鋭チームが求められます。

そこで、筆者は「今いる場で、秘密結社をつくれ」と主張します。

例えば、今所属している組織で出会える情報・人脈に注目することを促します。

フリーランスになると、今やっている仕事の情報しか入ってこなくなるため、組織から得られる情報は貴重です。

また、すでに出会っている学生時代の友人関係に注目してみることも推奨しています。

そのため筆者の主張では、たとえばいい大学に入学したり「弱いつながり」を作るように動くなど、人生の中で少しでもいい人脈に出会える可能性のある選択をとることを重視します。

↓↓弱いつながりに関してはこちらを参照!

では、今の自分がもっている人脈が、自分の目的を達成するのに不十分だった場合にはどうすればいいのでしょうか。

筆者は下記のように述べます。

どのような人を引き寄せるか、どんな人が自分に対して関心を抱くかは、その人自身の人生の反映であり、「まわりにロクなやつがいない」っというのは、鏡に向かって悪口を言うのに等しい。自分の行動、態度を変えれば、周りに待つ待ってくる人も変わってくる。自分の置かれている環境は、少なからず自分が過去にしてきた意思決定の反映なのだ。

まずは自分がより良い人脈に巡り合うのにふさわしい人間になる必要があるということです。

なあなあの「友だち」ではなく、目的を同じくした「仲間」

では、自分の人脈の中からよいチームを作り上げるにはどうすればいいのでしょうか。

瀧本哲史氏は、まずはビジョンとストーリーが必要だと主張します。

ビジョンは中途半端なものではなく、多少穴があっても「でかすぎるビジョン」が必要だといいます。

例えば、三国志の劉備玄徳は「漢の再興」という途方もない目標を掲げたからこそ、関羽や張飛と言った優れた人材を仲間に引き込むことが出来ました。

人はビジョンにひかれるのです。

そのビジョンを伝える際には「なぜ私はそれを目指すのか」「なぜあなたが必要か」を説得性を持って伝えるストーリーが必要となります。

そして、集めたメンバーを最大限に機能させるチームをつくるためには個々が役割を見つけ、当事者意識と責任感を持っていることが必要不可欠です。

こういった条件を満たすことで、なあなあの「友だち」ではなく、目的を同じくした「仲間」を作ることが可能になります。

瀧本哲史『君に友だちはいらない』の名言

“ときどきは自分の持つ「モノ」や「知識」を手放したほうがいい。これは勇気がいることだが、「持っているものが多いこと」が貴いのではなく「必要なものが少ない」のが貴いのである。”

ストーリーを人に話すときに大切なのは、その話に「ロマンとソロバン」があるかどうかだ。


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