今社会でリモートワークが急速に推し進められています。

やった!柔軟で自由な働き方だ!
リモートになった当初はそのように思われた方も少なくないかと思います。
しかし、実際にリモートワークになってみてどうでしょうか。
何か足りないような、これじゃない感のような、「不全感」はないでしょうか。
それは、自由で柔軟な働き方を実現するうえで重要な、「本質的な改革」がなされていないからかもしれません。
本田直之『ノマドライフ』は自由で柔軟な働き方を実現を目指す人にとって、非常に示唆に富んだ著書です。
本田直之『ノマドライフ 好きな場所に住んで、自由に働くために、やっておくべきこと』朝日新聞出版、2012年。
- リモートで仕事をするだけでは物足りない。
- いつかは海外で暮らしてみたい。
- 会社員でも、自由な生き方を忘れずにいたい
上記に一つでも当てはまることが一つでもある人には『ノマドライフ』は非常におすすめの一冊となります。
この記事では『ノマドライフ』の要約を行うとともに、その中で書かれている具体的な方法を紹介します。
本田直之『ノマドライフ』の3つのポイント
・ノマドライフとは仕事術ではなく、本質的な生き方の提案
・激動の時代にはノマドライフは必要
・ノマドライフの実現のためには、考え方こそ重要
本田直之『ノマドライフ』の要約
ノマドとは一般的に「通常のオフィス以外のさまざまな場所で仕事をする人」を指す言葉として使われます。
しかし、筆者の本田直之氏の考えるノマドは少し異なります。
『ノマドライフ』におけるノマドライフは「カフェで仕事しよう!」のような単なる仕事術ではなく、生き方の本質にかかわる話だと本田直之氏は主張します。
筆者はノマドライフを以下のように定義しています。
仕事と遊びの垣根のない、世界中どこでも収入を得られるノマドビジネスを構築し、2か所以上を移動しながら、快適な場所で生活と仕事をすることで、クリエイティビティや効率性、思考の柔軟性が向上し、それがいいスパイラルになるライフスタイル。
現代はモバイル機器やウェブ環境などのテクノロジーの発達により、様々な働き方ができるようになっていて、だれもがノマドライフという生き方を選択できる可能性がある世の中になっています。
さらには「ノマドライフ」が「可能」なだけではなく、社会のあり方が大きく変わり一つの会社で一生勤めるという旧来のスタンダードな価値観が危うくなっている時代において、「ノマドライフ」の生き方を選択肢に入れることが出来るということは生き残りにおいて「必要」なことだとも筆者は述べます。
そしてテクノロジーによってノマドのハードルが下がった世の中において「ノマドライフ」を実現するために重要なのは、新しい生き方を選べる柔軟な「考え方」であり、「考え方」をトレーニングしていく必要があります。
「ノマドライフ」の方法|実現のための考え方7選
いったん「常識」をリセットし、新しいモデルを選択する思考の柔軟性を持つことが、これからは何より大切になってきます。
上記のように本田直之は「ノマドライフ」実現のために、「考え方」を重視しています。
以下では、そのノマドライフを実現するために必要な「考え方」を具体的に紹介していきます。
ポジティブ・ディモーション(前向きな降職)
会社によって場所や時間を縛られない自由で柔軟な働き方をしたら、旧来の価値観での「出世」は望めなくなるという現実は受け入れなければなりません。
そこで筆者が推奨している考え方が「ポジティブ・ディモーション(前向きな降職)」です。
昇進で得られるものが「ノマドライフ」に寄与しない場合はそれを断ることも重要だということです。
ノマドライフには準備が必要
ノマドライフは一朝一夕で実現できるものではありません。
長期的な視点を持って、様々な準備をしていく必要になります。
筆者は下記の6つの段階でノマドライフを徐々に実現していくことを推奨しています。
①ベースを作る
ノマドライフのインフラとなる仕事のノウハウ・スキルを学ぶ。
中途半端につまみ食いするのではなく、時間やお金を何かに集中することが重要。
②方向性を模索する
様々なことに挑戦し、独立後の仕事のための種をいろいろまくことが重要。
将来のベーシックインカムをこの時期に作っていくイメージ。
③未来につながる実績を残す時期
様々なノウハウを体系的に統合して、一つの形にする。
とびぬけた成果を出すこの時期は仕事に集中する。
④転換期
新たなライフスタイルを作っていく時期。
趣味を徐々に充実させていき、ライフスタイルをブラッシュアップする。
⑤実践期
過去に培ったノウハウや知識を生かして、自分の望むライフスタイルや仕事を実現していく時期。
⑥シェア期
ノマドライフを選ぶ仲間を増やしていく。
遊びと仕事の垣根をなくす
時間の効率性を最大化して自由を拡大するためには、遊びと仕事の垣根をなくすことが重要です。
そのために、どうすれば遊びが仕事になり、仕事が遊びになるか考え続ける必要があります。
ここで誤解されやすいのは「趣味を仕事に」ということではないということです。
ノマドライフを安定させるためには、複数の仕事を収入源にする必要があります。
なので「趣味を仕事に」では行き詰っています。
あくまで遊びと仕事の垣根をなくすことが重要です。
時給的な働き方は減らしていく
時給的な働き方はお金を得る上で一番手っ取り早い方法です。
しかし、「時給」で自分の時間を切り売りするということは、時間の自由が縛られるということです。
また、仕事を複数こなしていくうえで時給の仕事は、非常にネックとなります。
自分の能力を提供してお金を得られる仕事を模索しましょう。
ノマドライフには人間性が必要
ノマドライフでは、仕事のパートナーも自分で探す必要があります。
その際に重要になるのが「人間性」です。
ノマドワークは企業勤めと異なり「会社」が信用を肩代わりしてくれないので、「この人と仕事をしたくない」と思われたら、おしまいです。
本田直之氏はそのことについて以下のように述べています。
自分が人を選ぶ前に、自分が選ばれる人になりましょう。コラボレーションに値する能力を持ち、強くしていくのです。
ネオシンプル思考
モノにこだわり生活水準をあげていけばいくほど、ノマドライフで自由に生きるハードルは高くなります。
不要なものな持たないというようにシンプルであることもノマドライフでは重要です。
本田直之氏はその考え方を「ネオシンプル思考」と表現します。
ネオシンプル思考とは、多くをもたず、必要最低限のモノをフル活用し、自由でしばられない生活を享受しようという考え方です。
ここで重要なのは「やせ我慢」をするわけではなく、持てるけど持たないという選択の思考だということです。
自己責任思考
ノマドライフには、何が起こっても自分で何とかできるサバイバル能力が必要です。
そのベースとなるのが「自己責任思考」です。
何かひどい目にあったとしても他人にばかり原因を求めるのではなく、自分の反省点を考えて自身を改善していく姿勢が必要です。
その姿勢を養うためには、「安易に人に聞かない」ということを大原則として、自分で調べたり思考し、決断する癖をつけることが重要です。
本田直之『ノマドライフ』の思わず引用したくなる名言
ノマドライフは、続けていくと、ライフスタイルそのものがコンテンツになるからです。ライフスタイルを突き詰めるほどに生活や仕事のスキルが上がり、その上がったスキルからビジネスをクリエイトする能力がつくのです。
不安は、受け入れましょう。その上で、不安に支配されないために行動することです。
『ノマドライフ』で引用される老子の言葉。
生きることの達人は、仕事と遊び、労働と余暇、心と体、教育と娯楽、愛と宗教の区別をつけない。何をやるにしろ、その道で卓越していることを目指す。仕事か遊びかはまわりが決めてくれる。当人にとっては、常に仕事であり、遊びでもあるのだ。
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