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マルグリット・デュラス『モデラート・カンタービレ』のあらすじと感想【読書会レポート#22】
【読書会レポート#22】紹介された本:マルグリット・デュラス『モデラート・カンタービレ』
マルグリット・デュラス『モデラート・カンタービレ』河出書房新社、1985年。
マルグリット・デュラス『モデラート・カンタービレ』のあらすじ
息子を海沿いのビアノ教室に通わせるアンヌ。
あるとき、近くのカフェで人が集まっているのに気づく。
人混みの中心には血を吐いて倒れている女性と、彼女を抱き上げキスをする男性。
アンヌには一体どういう状況なのかわからない。
ほどなくして、彼は警察に連行されていく。
一体何が起きたのか気がかりなアンヌは後日、そのカフェで相席になった男性とその事件について話し合う。
話の中でその男はアンヌの旦那が経営する工場に勤めていた労働者だと知る。
それから、彼らはたびたび会って話すようになっていくが…
マルグリット・デュラス『モデラート・カンタービレ』に対する紹介者Kさんの感想・観点
・戯曲的でカラッとしている恋愛もの。内面を掘り下げるウェットな感じはないです。
・直接的な描写はなされないが、恋仲になるのではという緊張感がずっとあります。
・描写によっていろいろと表現されています。
マルグリット・デュラス『モデラート・カンタービレ』について読書会で話題になったこと・感想
※ネタバレ注意

どうしてこの本を手に取ったのですか。

丁度この前に失恋したので…笑

そうなんですね…
読まれてどういった感覚になりましたか。共感したとか、自分の経験の意味づけが変わったとか。

ウェットじゃなくカラッとした描かれ方で、共感は特になかったです。他人の物語として読めたので、失恋後でもあまりきつくならずに読めました。
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あらすじを聞く限り、ストーリが大きく動く感じじゃなさそうですね。

はい、描写の積み重ねと、それを読んでいる時間経過によって不思議にな感覚を生じさせてくる感じです。

最初の血まみれで抱き合うカップルが、今後のアンヌと男を暗示している感じですかね。

はい。それによって「あなたは死んだ方がよかった」「もう死んでいるわ」というラストのやりとりが生きてきます。
マルグリット・デュラス『モデラート・カンタービレ』に対する投稿者の感想
紹介されていた方はかなり絶賛されていました。
あらすじだけお聞きした感じですと、そこまで物語性はなかったので、描写を読まないと何もわからないタイプの小説だと思います。
読みたくなりました。
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