岩明均『ヒストリエ』のあらすじと感想【読書会レポート#10】

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岩明均『ヒストリエ』のあらすじと感想【読書会レポート#10】

【読書会レポート#10】紹介された本:岩明均『ヒストリエ』

岩明均『ヒストリエ』講談社、2004年。

岩明均『ヒストリエ』のあらすじ

舞台は紀元前、後にアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの波乱に満ちた生涯を描いた歴史大作です。

蛮族スキタイの出身でありながらそれを知らず、都市国家カルディアでギリシア人養父母に育てられたエウメネスは、そのおかげでギリシア的教養を身につけることとなる。

ある日養父がスキタイ人に殺され、自分の出自を知ったエウメネスは奴隷の身分に落とされてしまう。

それが彼の波乱の旅の始まりだったのです。

(参考:Amazon

岩明均『ヒストリエ』に対する紹介者Sさんの感想・観点

・主人公は立身出世を考えるタイプではないですが、才能ゆえに目立ってしまうのが面白かったです。

・1年、2年に1冊のペースで出版されています。このままだと、完結まで15年くらいかかりそうです。笑

・前作の『寄生獣』と同じように「物質としてのヒト」が、またひとつのテーマとして描かれています。

岩明均『ヒストリエ』について読書会で話題になったこと・感想

 

私は死後は前作の『寄生獣』のラストのような感じがいいです。

それはミギーということでしょうか。

はい。たとえば、私が生前読んでいた本を他の人が開いて、その本にある書き込みをみて、「あの人は生前こんなことを考えていたんだ」みたいに思い出す感じです。

日常生活でそんな詩的なこと考えたことないです。笑

 


 

『ヒストリエ』のように、一発当てた著者が次回作を書く時のイイ感じに力の抜けた感じは好きです。

ただ、力を抜きすぎてHUNTER×HUNTERのようになったら困りますよね。笑

岩明均『ヒストリエ』に対する投稿者の感想

軍記物語はやはり心が躍ります。

どのような作者が描いたとしても、あまり外れがないような気がします。

では、『寄生獣』の著者である岩明均氏が描いたことによる特色は何なのでしょうか。

私は2つ感じました。

ひとつは狂気の描き方でです。

『寄生獣』でもそうですが、著者は人ならざるものが人に向ける眼差しを描くのが非常に上手いです。

本作ではそれが、奴隷制や戦争といった過酷な環境下で、尋常では開かない扉を開く登場人物たちに宿っていて、迫力があります。

もう一つは、達観したような、思わずはっとさせられるような登場人物のセリフ・哲学です。

例えば印象的だったのは下記のような言葉です。

人はそれぞれ……
スッキリしないものをいくつか抱えたまま生きている……
それが普通なんだと思う

心に傷を負ったままでも楽しく暮らす事はできるさ……

『ヒストリエ 4』

岩明氏の描く軍記物語、どのようなラストを飾るのか期待しながら、今後も気長に追っていきたいと思います。

 


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