三島由紀夫『金閣寺』のあらすじと感想【読書会レポート#11】

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三島由紀夫『金閣寺』のあらすじと感想【読書会レポート#11】

【読書会レポート#11】紹介された本:三島由紀夫『金閣寺』

三島由紀夫『金閣寺』新潮社、2020年。

三島由紀夫『金閣寺』のあらすじ

「美は……美的なものはもう僕にとっては怨敵なんだ」。

吃音と醜い外貌に悩む学僧・溝口にとって、金閣は世界を超脱した美そのものだった。

ならばなぜ、彼は憧れを焼いたのか?

現実の金閣放火事件に材を取り、31歳の三島が自らの内面全てを託した不朽の名作。

血と炎のイメージで描く〈現象の否定とイデアの肯定〉──三島文学を貫く最大の原理がここにある。

(参考:Amazon

三島由紀夫『金閣寺』に対する紹介者Sさんの感想・観点

・中学生の時に緑の背表紙の三島全集で読んだ記憶が今も鮮明にあります。読書体験とは意外と物質的なものかもしれません。

芥川龍之介『蜘蛛の糸』お釈迦様と『金閣寺』の老師が自分の中で被って見えます。罪を犯す人に対する目線が重なります。 

『NHK 100分 de 名著』で老師が第二次世界大戦終戦時に、修行僧たちが猫を取り合っていたら和尚がその猫を殺した説話を話した意味が解説されていました。事物に与えられた意味はどうとでも転倒できるということを言わんとしていたみたいです。非常にわかりやすかったです。

平野啓一郎『NHK 100分 de 名著 三島由紀夫『金閣寺』 2021年5月』NHK出版、2021年。

三島由紀夫『金閣寺』について読書会で話題になったこと・感想

 

名著というのは切り取り方によって様々な意味を抽出することができるなと思いました。あなたは読まれて、どのような感想を持ちましたか。

宇佐見りん『推し、燃ゆ』と並行して読んでいたのですが、扱っている内容は同型だと思いました。両方とも世俗において欠損を抱えている人間が、超越に突き抜けてしまう話。ただ比較すると、『金閣寺』のエグさと内省の解像度の高さが浮き彫りになりました。

現代的な小説の「軽さ」についてはどう思いますか

文学史に接続しないならなんでもいいと思います。現代人が読みやすい形態をとるのも自由かと。ただ、接続するなら、過去作品の原液を薄めただけの作品は物足りないですね。芸術である以上何か新しい文脈を付け足さないといけないと思います。「軽い」ことで逆に表現できることがある、のように。

 


 

老師は説話を使いこなす思慮深い人物でもありますが、一方で妾がいたりと非常に世俗にまみれた人物です。そのバランスが良かったのではないでしょうか。主人公も世俗にもう少しまみれることが出来ていれば、究極の美を求めて金閣寺を燃やさないで済んだのではないでしょうか。

ということで私も欲望のままに振舞っていきたいと思います。笑
今度100万のスピーカーを買おうと思います。妥協したら、どれだけいい音も聞いても想像上の100万のスピーカーに永遠に勝てない。

それはむしろ究極の美を断念できない主人公側の考えに近いのではないですか?笑

三島由紀夫『金閣寺』に対する投稿者の感想

この作品には主人公の友人として同じく容姿が見にくく、そして足に障害を持った男が出てきます。

しかし、内向的な主人公と違ってその男は世間の中でうまく立ち回ることができます。

むしろ、普通の人以上に自分の障害を逆手にとって女性をとっかえひっかえ、さらにはお金を無心したりします。

太宰治『人間失格』に出てくるヒラメと友人を足して二で割ったような造形です。

読んでいて、自然とその人物に嫌悪感が生じました。

しかし、ふと思ったのはその男が美男子という設定だったらどうかということです。

はたして、私は同じ嫌悪感を抱いたのでしょうか。

自然と湧き出るその感情のラインが私が気づかない内に囚われている観念の枠なのだと思います。

この作品は私にとって鏡として機能しました。

 


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