「読書会レポート」は、東京ワタコレ読書会で紹介された本をアーカイブしていくコーナーになります。
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キャロル・S・ドゥエック『マインドセット「やればできる! 」の研究』の概要と感想【読書会レポート#23】
【読書会レポート#23】紹介された本:キャロル・S・ドゥエック『マインドセット「やればできる! 」の研究』
キャロル・S・ドゥエック『マインドセット「やればできる! 」の研究』草思社、2016年。
キャロル・S・ドゥエック『マインドセット「やればできる! 」の研究』の概要
スタンフォード大学発の世界的ベストセラー!!
学業・ビジネス・スポーツ・恋愛・人間関係……、成功と失敗、勝ち負けは、“マインドセット”で決まる。
20年以上の膨大な調査から生まれた、「成功心理学」の古典的名著、増補改訂により新登場!
同じような能力でも、一度の失敗で「もうダメだ」と落ちこむ人と何が失敗の原因かを考える人がいる。
問題がむずかしいとやりたがらない子、むずかしい問題ほど目を輝かせる子がいる
それらの違いは、 どこからくるのか?
それは人間の能力を先天的なものと考える「硬直マインドセット」を持っているか、後天的なものと考える「しなやかマインドセット」を持っているかによる。
「硬直マインドセット」では失敗は自らの無能を証明してしまうものなので認めることが出来ないが、「しなやかマインドセット」では失敗は成長の糧なので認めることができる。
この失敗への向き合い方の違いが成功を大きく左右する。
能力や才能は生まれつきではないことを20年間の調査で実証した正真正銘の “成功者たちの心理学”。
(参照:Amazon)
キャロル・S・ドゥエック『マインドセット「やればできる! 」の研究』に対する紹介者Kさんの感想・観点
・天才は自分を天才と言わないのは、必ずしも自分の成果は自分の努力によるものだと信じたいからではなく、そもそも「しなやかマインドセット」を持っているからなんだと思いました。
・「硬直」なのに環境が変わると揺さぶられるという言葉の皮肉が面白いと思いました。
・成功している人が謙虚なのは「成功するためにはしなやかマインドを持って成長することが必要で、成長するためには色々な人から学ぶ必要があり、色々な人から学ぶためには謙虚である必要があ」からなんだと思います。
キャロル・S・ドゥエック『マインドセット「やればできる! 」の研究』について読書会で話題になったこと・感想

具体的な活用例にはどのようなものがありましたか?

そうですね。今回は教育関係者の方が参加されているので、そっち方面の例を…
娘が習い事の発表会、例えば体操、で1位になれなかったとき、どのような反応をするのがいいと思いますか。5択です。
①お前が一番うまかったよ
②判定がおかしかった
③「体操」での失敗なんか大したことじゃない
④お前には才能がある
⑤お前には一番になるだけの実力がなかった。

うーん、普通に考えると④ですかね。

そうですよね、しかしそれが一番危険です笑
答え合わせです。
①→実際に一番じゃなかったのは結果が示しているのに、本心を偽って娘とコミュニケーションするのか
②→娘に他人のせいにすることを教えるのか
③→少しやってうまくいかないことは「たいしたことじゃない」と投げ出すことを教えるのか
④→才能があれば一番になれるというメッセージを娘に伝えるのか
⑤→正解。失敗から何を学ぶべきかを伝えられる。

なるほど。⑤は厳しいけど愛がありますね。しかし、娘にメッセージを真正面から受け取ってもらうためには前提として、信頼関係が必要になりそうですね。
キャロル・S・ドゥエック『マインドセット「やればできる! 」の研究』に対する投稿者の感想
「個人」として、1%でも成功の可能性を高めるためには、「硬直マインドセット」より「しなやかマインドセット」の方が間違いないと思います。
それが、失敗を糧にできるかどうかを変えますので。
しかし、人々がどのようなマインドセットを持っていると前提にして「社会」を設計するかはまた別問題です。
全員が「しなやかマインドセット」を持つべきだとして社会を設計すると、人々は自らの不幸と境遇を100%を自分の責任として引き受けなければならなくなります。
それは非常に残酷で辛いことで、全ての人がそれに耐えることが出来るわけではないことは、橘玲『無理ゲー社会』でも述べられています。
かといて、個人としても「硬直マインドセット」を持ち続けて、「才能や実績は先天的に決まっているのだから、無能を社会は救済すべきだ」と居直ったとしても、誰も助けてはくれません。
個人としてどういったマインドセットを持つべきか、社会はどのように設計すべきかは切り離して考える必要があるのではないでしょうか。
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