森見登美彦『恋文の技術』のあらすじと感想【読書会レポート#29】

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森見登美彦『恋文の技術』のあらすじと感想【読書会レポート#29】

【読書会レポート#29】紹介された本:森見登美彦『恋文の技術』

森見登美彦『恋文の技術』ポプラ社、2011年。

森見登美彦『恋文の技術』のあらすじ

京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。

無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。

その中で主人公はどんな女性もおとせる恋文の技術を開発することを思いつく。

文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への手紙は、いつまでも書けずにいるのだった。

書簡形式で展開される物語。

(参照:Amazon

森見登美彦『恋文の技術』に対する紹介者Fさんの感想・観点

・人はだれでも誰かを好きになるとダサくなるものですが、その主人公の姿が共感できていっそいとおしく感じました。

・「アリな人からもらえばどんな恋文でもアリで、ナシな人からもらえばどんな恋文もナシ」という妹が主人公に対して言うセリフが真理だと思いました笑

森見登美彦『恋文の技術』について読書会で話題になったこと・感想

無聊だから「恋文の技術」を生み出そうというところに行きつくのは森見さんっぽいですよね笑

確かに笑

普通じゃ絶対そうはならないですよね笑

問題の本質がないところをごちゃごちゃ考える腐れ大学生感が森見節ですよね。

 


 

森見さんの文章はかなり癖があって好みが分かれますよね。

その中であえて言うならペンギン・ハイウェイが読みやすい方です。

私それから入りました。その時はそこまで癖を感じなかったのですが、他の作品を見てうおってなりました笑

 餌につられて罠に誘い込まれた感じですね笑笑

 


 

地の文はなく、全部書簡形式の文章なんですか。

はいそうです。自然な手紙のやり取りだけで全く説明不足感を感じさせないのはすごいと思いました。

なんならあとがきも筆者から読者への手紙という形式です笑

そのメタな仕掛けも森見さんっぽいですよね笑

 

森見登美彦『恋文の技術』に対する投稿者の感想

全然違うジャンルですがこの話のあらすじを聞いた時、伊藤計劃氏の『虐殺器官』を思い出しました。

『恋文の技術』がどんな女性も落とす恋文なら、あちらはどんな人も虐殺に向かわせる文法。

「どんな人」にも効くということは、それは人間一般に効くということ。

ならその効果は、個々で差が出る後天的な部分ではなく、人間の動物的な先天的な機能に働きかけている可能性が高い。

言葉というものは人間に普遍的にうめこまれた機能なのかどうかという議論は哲学や言語学でしばしば議論になるテーマですが、小説などの物語でもしばしば取り上げられているように思います。

「人智を超越した普遍的な法則が存在する」ということはそれだけ人を引き付けるテーマなのでしょうか。


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