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フランソワーズ・サガン『悲しみよ こんにちは』のあらすじと感想【読書会レポート#26】
【読書会レポート#26】紹介された本:フランソワーズ・サガン『悲しみよ こんにちは』
フランソワーズ・サガン『悲しみよ こんにちは』新潮社、2008年。
フランソワーズ・サガン『悲しみよ こんにちは』のあらすじ
セシルはもうすぐ18歳。
プレイボーイ肌の父レイモン、その恋人エルザと、南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。
そこで大学生のシリルとの恋も芽生えるが、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌが合流。
アンヌはこれまでの父の恋人たちとは異なり恋愛に慣れたタイプではなく、聡明で気品に満ちた女性だった。
あまりに自分たちとかけ離れた彼女に、自分たちの価値観が受け入れられるのか不安になるセリル。
父が彼女との再婚に走りはじめたことを察知したセシルは、葛藤の末に父とアンナを別れさせるべくある計画を思い立つ……。
(参照:Amazon)
フランソワーズ・サガン『悲しみよ こんにちは』に対する紹介者Kさんの感想・観点
・レイモンドは魅力的というより人間臭くて素直。娘に恋愛相談するのは面白い。
・セシルの内面描写と、繊細な描写が良かった。
・「この人をこんな顔にさせたのは私なのだ」という言葉は印象的でした。
フランソワーズ・サガン『悲しみよ こんにちは』について読書会で話題になったこと・感想

自分たちの価値観を彼女が受け入れてくれるか不安ということは、逆を返せば受け入れてほしいということ。セシルはアンナのことを好きだったのですか。

そうですね。アンナのことは認めていて、母親になってほしいとも感じている。しかし、アンナといることで引き出される父が自分の知らない父であることに不安を感じ…という感じです。

うーん。18歳というセシルの年齢を考えると何も言えないですね。これが大人なら、「自分の知らない相手の側面を拒絶するとか、相手に対する支配欲でしかない。キモい!」と切り捨てるのですが(笑)

誰に感情移入して読んだのですか

うーん。アンヌは「かっこいい!」、セシルは「守ってあげたい」という感じだったので難しいですね。基本的にはセシルかなぁ。
向井湘吾『お任せ!数学屋さん』に対する投稿者の感想
因果応報的にならず、混沌としてモヤモヤを抱えさせるラストはフランスぽいなと思います。
善行をしたから報われるとは限らず、悪行をなしたから報いを受けるとは限らない。
白と黒に割り切れない、グレーの領域が矛盾を抱えたまま延々と続く混沌。
それこそが現実。
そうした予測不可能性とどう対峙するかが人生。
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