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行成薫『スパイの妻』のあらすじと感想【読書会レポート#8】
【読書会レポート#8】紹介された本:行成薫『スパイの妻』
行成薫『スパイの妻』のあらすじ
選ぶべきは愛か、大儀か――。
第二次大戦時、混沌する運命に翻弄される男女の愛憎を描く、
究極の歴史サスペンス!
1940年、太平洋戦争前夜の神戸。満州事変以降、国内外で不穏な空気が漂う最中、福原聡子は仕事で満州へ赴いた貿易商の夫・優作の帰国を待ちわびていた。
しかし、帰国後の優作は人が変わったようで、憲兵隊からも目をつけられ始める。
満州で何があったのか、夫は何を隠しているのか。
優作と家庭の幸福を守るため、夫の秘密を探る聡子が目にした驚愕の真実とは――?
(参考:Amazon)
行成薫『スパイの妻』に対する紹介者Kさんの感想・観点
・時代と夫に振り回される奥さんの聡子がかわいそうだった。
・私も思想とか大儀とか関係なく、夫が進む道に寄り添いそうな気がする。
・夫が妻の映画を撮っているシーンの描写が、情景を想起させてよかった。
行成薫『スパイの妻』について読書会で話題になったこと・感想

映画の方は見ましたけど、「お見事です!」が蒼井優さんの怪演もあって印象的でしたね。

そんな言葉ありましたっけ?

あれ!?
映画と小説じゃ、強調しているところが違うのかな・・・笑

私の映画を観た解釈だと、聡子さんは夫の「コスモポリタン」という大儀を共有するようになっていたから、聡子さんの最後はかわいそうではなかったような気がします。

今の価値観だと、国際基準に照らし合わせて自国の残虐行為を告発するのは正当に思えますが、当時は国粋主義の時代。
ナショナリズムに流されずに、コスモポリタンになることがどれほど難しかったか。

そう考えると聡子はすごいですね。
行成薫『スパイの妻』に対する投稿者の感想
私は映画を観ただけですが、物凄い作品でした。
蒼井優さんの怪演もあって迫力がものすごかったです。
小説バージョンも、映画と違う点が多そうなので、読んでみたいと思いました。
また、自分が今持っている価値観を相対化したり、そこから脱却したりすることは本当に難しいことなんだなと思います。
聡子にはそこから連れ出してくれる夫がいました。
やはり、自分が今いるコミュニティに対する「他者」の存在は、自分を変える上でかなり重用みたいですね。
※参考:
「【5金スペシャル映画特集Part2】『鬼滅の刃』が突きつける人間の本来あるべき姿とは」『videonewscom』youtube
荘子it「荘子itが執筆 『スパイの妻』の「軽さ」が持つ倫理的な意味とは」『CINRA.NET』
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