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山本文緒『きっと君は泣く』のあらすじと感想【読書会レポート#27】
【読書会レポート#27】紹介された本:山本文緒『きっと君は泣く』
山本文緒『きっと君は泣く』のあらすじ
椿、二十三歳。
美貌に生まれた女に恐いものはない、何もかもが思い通りになるはずだった。
しかし祖父がボケはじめ、父が破産、やがて家や職場で彼女の心の歯車はゆっくりと噛み合わなくなってゆく。
美人だって泣きをみることに気づいた椿。
弱者と強者、真実と嘘……誰もが悩み傷つくナイーヴな人間関係の中で、ほんとうに美しい心ってなんだろう?
(参照:Amazon)
山本文緒『きっと君は泣く』に対する紹介者Yさんの感想・観点
・すい臓がんで亡くなられたというニュースをみて、改めて読みたいと思い、手に取りました。
・ジャンルとしては自己啓発書のように思います。主人公に共感しながら自分を見つめ直すみたいな感じで。
・主人公は周囲を気にせず、飾らないタイプ。その振る舞いが気持ちよかったです。
・自覚しているかどうかは描写されていませんが、物語を通して主人公の心がどんどん変わっていきます。
山本文緒『きっと君は泣く』について読書会で話題になったこと・感想

主人公に共感したとのことでしたが、どの部分に共感したんですか。

そうですね。私もあまり周囲を気にせずストレートに自分を出すタイプですので、その点で主人公に感じる部分がありました。

なるほど、主人公が自分を取り繕わず表に出すタイプですと、周囲に抑圧されるような描かれ方をすることが多いかと思うのですが、この物語はどうでしたか。

抑圧されるシーンもありましたが気にせず受け流していました。負けない不屈な感じがかっこよかったです。

なるほど。Yさんが主人公と似たタイプなのであれば、同じような状況に置かれたことがあるかと思うのですが、Yさんはどう対処してきましたか。

私はそもそも気にならないです(笑)

それは強いですね(笑)

山本文緒さんの小説を他にも読まれているとのことですが、総じて山本さんはどういった作品を書かれるのですか。

強い女性が書かれることが多いですね。芯がしっかりしている女性というか。
その反面、男性はかわいそうになるくらい情けない場合が多いです(笑)
山本文緒『きっと君は泣く』に対する投稿者の感想
学生の時は「美人」ということである程度のことは乗り切れる。
しかし、社会人になれば、年をとればとるほどそれとは違う評価軸が増えていきます。
「美人」というだけでこれまで乗り切ってきた主人公にとってその落差はとてつもないものだったでしょう。
しかし、彼女はあり方を変えながらも、強く美しくあり続けた。
その秘訣は見習いたいですし、学べることがたくさんあると思います。
というのも学生から社会人に移る上で落差を感じるのは、何も「美人」だけではないからです。
例えば、学生のころであれば、「勉強ができる」だけである程度承認は得られた。
しかし、社会人になればそんなものは何の役にも立たない。
このように、人生の転機において、自分のこれまで誇っていた武器を喪失する経験をするのは、多くの人に共通することです。
主人公のあり方は参考にさせていただきたいです。
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