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エミール・ゾラ『ナナ』のあらすじと感想【読書会レポート#40】
【読書会レポート#40】紹介された本:エミール・ゾラ『ナナ』
エミール・ゾラ『ナナ』のあらすじ
名作『居酒屋』の女主人公の娘としてパリの労働者街に生れたナナ。
生れながらの美貌に、成長するにしたがって豊満な肉体を加えた彼女は、全裸に近い姿で突然ヴァリエテ座の舞台に登場した。
パリ社交界はこの淫蕩な“ヴィナス”の出現に圧倒される。
高級娼婦でもあるナナは、近づく名士たちから巨額の金を巻きあげ、次々とその全生活を破滅させてゆく。自然主義作家ゾラの最大傑作。
(参照:Amazon)
エミール・ゾラ『ナナ』に対する紹介者Yさんの感想・観点
・ある研究によるとナナは年間10億くらい蕩尽している計算になるそうです。ゾラは娼婦にヒアリングして、そのメモも残っているので、10億というのは決して非現実な額ではなく、実際に当時いた高級娼婦はそれくらい稼いでいたと思われます。
・ナナの肉体的・精神的魅力が力を入れて描写されています。
・決定論をベースに描かれているが、そこをあえて外していくところが魅力。
・ゾラは自然主義の作家だが、彼の理想がナナには反映されていて面白いです。
・『悪女入門』とあわせて読むと面白いです。
エミール・ゾラ『ナナ』について読書会で話題になったこと・感想

文学で描かれている「女性」の類型は2パターンありますよね。「女はみな聖女」か「女はみな娼婦(ただし心は穢れない)」。この作品ではどうでしたか。

ゾラ自身は処女崇拝なのですが、この作品自体は後者です。

そうなんですね笑 フランスの作家では珍しいですよね。フランスの作品って純愛とか処女とかを鼻で笑って、愛多き生の中で想いが磨かれていくイメージがあるので。

ゾラ自身は、純愛とかに批判的なんです。ただ研究の中で、処女崇拝と分析されています。

深層心理と表層の表現が別の方向を向いているんですね。面白いです。
エミール・ゾラ『ナナ』に対する投稿者の感想
男性は何故ファム・ファタルに惹かれるのでしょうか。
男女の比較でよく言われるのが、「男性は論理的、女性は感情的」という法則です。
これは別の言葉で言えば、女性は「こうしたら、こう行動する」というパターンから外れることが多くカオスであるということ。
ファム・ファタルはカオスの極まった存在であり、男性側もカオスへと導く。
論理というパターンの牢獄に閉じ込められた男性にとって、そこから連れ出されるというのは、魅力的なのかもしれません。
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