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宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』の概要と感想【読書会レポート#41】
【読書会レポート#41】紹介された本:宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』
宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』新潮社、2019年。
高橋祥子『ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考』の概要
児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。
少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。
人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。
(参照:Amazon紹介文)
宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』に対する紹介者Iさんの感想・観点
・タイトルと帯が上手いなと思いました。単に「非行少年の精神分析」とかでは手に取らなかったです。
・印象的なのは何故非行をするのかという部分の説明です。非行をするのはイライラしているからで、何故イライラしているのかというと、他の人が言っていること―例えば授業とか―が分からないからです。つまり、この本では、非行を行うのは認知能力が低いからという説明がされています。
・IQ70以下の子供は養護学校に入りますが、70~100は一見普通っぽく見えるので養護学校には入りませんが、会話を理解できていないことが多いといいます。かれらは、周囲の人間の言っていることが分からずイライラしてしまい、非行に走りやすくなります。実際に少年院で知能のテストをしたところ、「ケーキを等分できない」などの結果が多く得られました。
宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』について読書会で話題になったこと・感想

知能の他にも、環境的な要因も大きいような気がします。ケーキの等分とかは、たとえ知能が低かったとしても、家で親がケーキを分けるのを見る機会があれば、経験的に記憶していることなのではと思いました。つまり、知能だけでなく、ケーキを買ってくれなかったり、親も等分の仕方を知らないような環境が「ケーキの切れない非行少年たち」を生んでいるのではないでしょうか。

確かにそうかもしれませんね。

ただ、お好み焼きを縦に切る邪道な地域もあるので、一概に家庭環境のせいにできないかもしれませんが(笑)

知能が低い人が活躍できる環境をつくれることが望ましいですよね。
極端な例かもしれませんが、目が悪くなった人が昔の社会だったら生きていきづらくなったけど、眼鏡が登場した後の社会だと、目の良しあしが生きやすさにさほど影響を与えなくなったみたいに。

AIが普及して「知能」を外部委託しやすくなれば、そうなるかもしれませんね。
宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』に対する投稿者の感想
知性と非行を結びつけるのは、優生思想的なものへの反省から中々やりづらい議論かと思います。
しかし、そういった過度な「リベラル」な配慮が、世の中の真実を見えづらくしているしているという指摘も近年多く見かけます。
どういった主張をするにせよ、こういったことについて議論することそれ自体がある種の政治性を帯びる可能性は前提にして、考える必要がありそうです。
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