太田泰彦『2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か』の概要と感想【読書会レポート#42】

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太田泰彦『2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か』の概要と感想【読書会レポート#42】

【読書会レポート#42】紹介された本:太田泰彦『2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か』

太田泰彦『2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か』日経BP、2021年。

太田泰彦『2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か』の概要

米中対立の激化に伴い、戦略物資としての半導体の価値が高まっています。米バイデン政権は政府助成による国内企業のテコ入れを急ぎ、台湾半導体の巨人TSMCの米国誘致を進め、中国のサプライチェーンを分断する政策を矢継ぎ早に打ち出しました。日本でも同様にTSMCの誘致を実現させるなど半導体産業の復興を目指した国家戦略が始動しています。自動車で進むCASE革命をはじめ経済のデジタル化において半導体は不可欠な存在であり、需要は高まり高度化もますます進んでいます。

経済のグローバル化が進み、半導体をはじめとするテクノロジー産業では、国際的な分業・物流が発達しました。米中で二極化する世界では、複雑化したサプライチェーンの要衝を戦略的に支配下に置かなければ、経済の安定と競争力を保てなくなっています。

政府が経済を管理する国家安全保障の論理と、市場競争に基づくグローバル企業の自由経済の論理が相克し、半導体をめぐる世界情勢はますます不透明になっていきます。

日本は20世紀に「半導体大国」と呼ばれ、世界の市場を席巻しました。だが、米国、韓国、台湾との競争に破れ、かつての権勢は見る影もありません。大きく変わる国際情勢の中で日本に再びチャンスは訪れるのでしょうか。半導体産業の復興を夢見て、水面下では政府、企業がにわかに動き始めています。

本書は、米中対立の情勢分析、最先端の技術開発の現場ルポ、過去の日米摩擦の交渉当事者の証言などを交えながら、技術覇権をめぐる国家間のゲームを地政学的な視点で読み解き、日本の半導体の将来像を展望します。

(参照:Amazon紹介文

太田泰彦『2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か』に対する紹介者Mさんの感想・観点

・半導体は幅広いものに使われていますが、一番重要な側面は軍事力の要ということです。

・台湾のTSMCという企業が市場において生産をほぼ独占しています。なのでアメリカとしては、台湾を無視することはできません。台湾を軍事的に防衛するポーズを、海軍を巡回することで示したりするのもそのためです。一方で、生産拠点をアメリカ国内移らせるように誘致したりしています。

・半導体は景気の影響を受けやすい、リスクの高い商品です。さらに技術革新のサイクルが早く多額の投資をし続ける必要があります。そのことから、参入ハードルが非常に高い商品となっています。

太田泰彦『2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か』について読書会で話題になったこと・感想

半導体のサプライチェーンは、要所要所を一社の企業が独占しています。製造のTSMCもそうですし、半導体を生産する機械を作るのも一企業がほぼほぼ独占している。

供給が不安定になりそうに思えますよね。サプライチェーンにおいてリスク分散できていないわけなので。


 

一企業がサプライチェーンの終わりから初めまで一気通貫でやっているってことはないんですか。

昔はそうだったみたいですね。インテルとか。しかし、技術革新のサイクルが早く多額の投資をし続ける必要があるという半導体の製品の性質から、すべてを押さえ続けるのは難しかったみたいですね。

太田泰彦『2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か』に対する投稿者の感想

一つの製品に注目して、世界の流れや覇権の動きを見ていくという研究は、「そんな見方があるのか」と気づかされて非常に面白いですね。

近代以前を扱ったものだと川北 稔『砂糖の世界史』などが有名ですね。


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