「読書会レポート」は、東京ワタコレ読書会で紹介された本をピックアップし、アーカイブしていくコーナーになります。
本の内容や感想に限らず読書会での話題なども合わせて紹介しているので、読書会レポートを読んでいると、まるで読書会の場にいるような感じがしてくるかと思います!
書評としても、読書会の様子を知るレポートとしてもお読みいただけます!
今回は2022/11/12に開催されたリアル会場回で紹介された本からのピックアップです!
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外山健太郎『テクノロジーは貧困を救わない』の概要と感想【読書会レポート#56】
【読書会レポート#56】紹介された本のピックアップ:外山健太郎『テクノロジーは貧困を救わない』
外山健太郎『テクノロジーは貧困を救わない』みすず書房、2016年。
外山健太郎『テクノロジーは貧困を救わない』の概要
いまだITスキルに大きな格差があるインド。
学校では上位カーストの生徒がマウスとキーボードを占領している。
「これこそまさに、イノベーションにうってつけのチャンスだ。1台のパソコンに複数のマウスをつないだらどうだろう?…そしてすぐに“マルチポイント”と名付けた試作品と、専用の教育ソフトまで作ってしまった」。
しかしその結果は…「ただでさえ生徒を勉強に集中させるのに苦労していた教師たちにとって、パソコンは支援どころか邪魔物以外のなんでもなかった。…テクノロジーは、すぐれた教師や優秀な学長の不在を補うことは決してできなかったのだ」
こうして、技術オタクを自任する著者の数々の試みは失敗する。
その試行錯誤から見えてきたのは、人間開発の重要性だった。
ガーナのリベラルアーツ教育機関「アシェシ大学」、インド農民に動画教育をおこなう「デジタル・グリーン」、低カーストの人々のための全寮制学校「シャンティ・バヴァン」などを紹介しながら、社会を前進させるのは、テクノロジーではなく、人間の知恵であることを語りつくす。
(参照:Amazon紹介文)
外山健太郎『テクノロジーは貧困を救わない』に対する紹介者Hさんの感想・観点・印象に残った箇所
・テクノロジーは貧困を救わないという話
・テクノロジーを誰もが使えるようになれば、平等になるかといえばそうではない。逆に、使いこなせるものと使いこなせないもので格差が拡大している。
・Facebook革命と呼ばれる、デモをfacebookで動員したとされる中東の様々な革命も、Facebookがあったから起こったわけではない。Facebookがなくても、それを起こす下地があった。いずれ起こっていた。Facebookはきっかけに過ぎない。
・テクノロジーより、意志や判断力、自制心といった人間の能力の方が重要と本書は主張している。
外山健太郎『テクノロジーは貧困を救わない』について読書会で話題になったこと・感想

経済発展やテクノロジーの発明で絶対的貧困は減少してきていると、例えば『FACTFULNESS』で、言われています。にもかかわらず「テクノロジーは貧困を救わない」とはどういう意味で言っているのでしょうか。

テクノロジー自体では貧困は解決されず、それを使う人間を育てないと貧困は解決されないという意味です。なのでタイトルは正確には「テクノロジーだけでは貧困は救わない」となるかと思います。

意志や判断力、自制心といった人間の能力が重要とのことでしたが、それを養うためにはなにが重要だと筆者は述べていましたか。

本書では一貫して「教育」が重要と述べています。
外山健太郎『テクノロジーは貧困を救わない』に対する投稿者の感想・補足
現在、全人口を養うだけの食料はすでに生産されているといいます。
しかし、現実飢えている人々がいます。
投機目的で食料を大量に買い込むメガ企業等が存在していることによって、貧困層の人には(たとえ、自分が生産していたとしても!)買うことが出来ない値段になってしまうなど、リソースの適切な配分が行われない様々な構造的な問題が存在しているからです。
そういった意味でも、テクノロジー・経済に任せるだけで貧困は救われないのかもしれないですね。
読書会(11/12)の様子
読書会の参加者
今回は55名の方にご参加いただき、7テーブルに分かれて読書会を行いました。
ご参加いただいた方はありがとうございました!
外山健太郎『テクノロジーは貧困を救わない』以外で紹介された本
11/12の読書会では、外山健太郎『テクノロジーは貧困を救わない』以外の本もたくさん紹介されました!
その一部をご紹介いたします!
今回はちきりんさんの著書が二冊紹介されていました!
読書した際にはぜひ読書会にご参加ください!
アウトプットすることで本の内容を記憶に定着させるとともに、考えたことをシェアしましょう!
お待ちしております!